今回はハイゼットカーゴのS331Vで起きた珍しい症状です。
エンジンが吹けず加速しないとすれば、真っ先にエンジン不調を疑ってしまいますが、今回のパターンは違いました。
そう、エンジンが原因ではなかったのです。
まずは症状を確認してみる
- アクセルを踏み込み加速しようとすると4000回転くらいで、いきなり回転が落ちこみレブリミッターがかかったようになる。
- メーターにチェックランプは点灯していない。
- エンジン冷間時、温間時は関係ない。
- アイドリングは正常。
- 4000回転までは正常なので燃料・火花・圧縮は正常だと思われる。
以上のことを踏まえて原因を究明していきたいと思います。
原因はまさかのあれ!?
まず、診断機で調べてみるとスターター系統(出力)というダイアグコード(故障コード)が表示されました。
このコードにはフェイルセーフという機能がついており、チェックランプは点灯しないが触媒(マフラーに装着されている排ガスをキレイにするためについている装置)を保護するためにECU(コンピューター)がエンジン回転3500回転で燃料カットさせる制御をする。
フェイルセーフ機能とは
車両部品を保護するため、および最低限の走行機能を維持するたの保護制御システム。
実際にこのコードを消去すると症状は改善されました。
その後Dレンジに入れて走行すると再びコードが出力されることによって一過性の不具合ではないと判断されます。
つまりこのコードが出力される原因を解決する必要があるということになります。
このコードが出力される原因として以下の回路図で簡単に説明します。
実際にテスターで点検すると常時12Vが出力されていました。
このことから推測される不具合は・・・
- スターターリレーコイルのショート(可能性は低い)
- 配線の電源ショート
- ECUの内部不良
事故車などではない限り配線のショートも考えにくいため、ECUの内部不良が一番可能性が高いです。
解決方法は?
ECUの内部不良となるとECUを交換するしかありません。
実際にECUを交換すると、コードは出力されなくなり無事解決することができました。
ちなみに
ECUの部品代 70000円 + 工賃 10000円 =80000円の修理になりました(汗)
ディーラーなどで、この症状を診断してもらった場合は診断料として8000円くらいは請求されるかと思います。
ちなみにこの車両は40000キロほどしか走っておらず、コンピューターに水がかかっていた跡などもありませんでした。
それにしても厄介な故障でしたね。